皆さん、こんにちは!シャロン・シーです!
今回は、2回に分けて、「消費者行動学で知る顧客の心理」についてお話しします。
※消費者行動学で知る顧客の心理(ネスレ社編)は下記リンクをクリック
企業は顧客のニーズをつかむために、売れている商品の分析や、顧客にアンケート調査など日々行っていますが、顧客のニーズを探ることは容易なことではありません。
今まで行ってきた分析や調査方法で思うような結果が得られないと感じているのであれば、問題意識の持ち方や調査方法を変えてみてはいかがでしょうか。
例えば、十数年前アップル社は、赤・青・橙・緑・紫の5色のパソコンのマッキントッシュ(通称:マック)を市場に送り込み、大ヒットを記録しました。
なぜ他のメーカーは、売上げを伸ばすための戦略として、パソコンの色のバリエーションを増やすことを考えなかったのでしょうか。
その理由は、調査の質問方法に問題があったといえます。
消費者に「パソコンは、何色がお好きですか?」と質問をすると、「白」「グレー」といった答えが返ってきます。
これは、顧客の頭の中には「パソコンを使う場所はオフィスである」という固定概念があり、自然とオフィスにふさわしい色を選んでしまうからです。
そこで質問に具体的な場所を入れて、「子供部屋で使うパソコンは、何色がお好きですか?」と質問をすると「赤」「青」「黄」の答えが多く返ってきます。
「和室で使うパソコンは、何色がお好きですか?」と質問をすると、「緑」「白」の答えが多く返ってきます。
アップル社ではオフィス以外でもパソコンを使うニーズがあるという発想のもとで調査を行い、カラー展開を実施してきました。
このように、顧客は、いつ、どこで、誰と、どのような状況で使用するのかなど、具体的なイメージができないと正確には答えてはくれないのです。
ほんのわずかな質問や調査、解釈の違いで、顧客の心をつかめるかつかめないかが決まるとは、消費者心理を探るためには多角的な視点が重要なのだと痛感させられました。
次回は、「インスタントコーヒーを世界で初めて売り出したネスレ社の例」を見ていきたいと思います。
最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。